標準規格概要(STD-B44)
1.標準規格の概要
標準規格番号 | ARIB STD-B44 |
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標準規格名 | 高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式(ISDB-S3) |
策定年月日 | 2009年7月29日 |
標準規格概要 | 本標準規格は、標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信の標準方式に関する省令改正(総務省令第11号 平成21年2月20日施行)を受けて、対応する民間規格として規定するものである。本標準規格では、高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式について規定し、PCRおよびサイトダイバーシチに関する運用ガイドライン、衛星伝送実験結果、回線設計等についても詳細に解説したものである。規格化にあたっては、民間規格としての今後の国際展開を考慮した規定とした。 また、16APSKおよび32APSK (Amplitude and Phase Shift Keying、振幅位相変調)については、情報通信審議会答申「衛星デジタル放送の高度化に関する技術的条件」(平成20年7月29日)において「今後の周辺技術の進展により適用が可能となる方式」と注記され、省令および告示には規定されていないが、放送の今後の高画質化のための伝送容量の増大へ対応可能な大容量伝送方式であることから、実用化のための周辺技術の進展を促すために、本標準規格では規定することとした。なお、実運用は省令および告示の範囲に制限される。 |
キーワード(用語と略語)
キーワード | 説明 |
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高度広帯域伝送方式 | 標準テレビジョン放送等のうちデジタル放送に関する送信の標準方式(平成15年総務省令第26号)第5章第3節または第6章第5節に規定される高度広帯域伝送方式 |
主信号 | TSパケットの先頭の1バイトを除いて連結した信号又はTLVパケットを連結した信号 |
スロットヘッダ | 主信号に関する制御情報領域 |
スタッフビット | 伝送主信号のビット数の調整のために付加されるビット列で6ビット分の‘1’(111111) |
スロット | 主信号およびスロットヘッダに、誤り訂正外符号およびスタッフビットを付加し、電力拡散信号を加算した信号に対して誤り訂正内符号化した信号 |
伝送主信号 | スロットを単位として生成される信号 |
TMCC情報 | 伝送・多重に関する制御情報 |
TMCC信号 | TMCC信号に電力拡散信号を加算し、誤り訂正内符号化した信号 |
信号点配置情報 | 伝送に関する変調信号の位相および振幅についての情報 |
伝送信号点配置信号 | 信号点配置情報を信号点マッピングし、電力拡散信号を加算した信号。非線形増幅時の伝送特性劣化を抑制するためのパイロット信号として利用できる。 |
BPSK | Binary Phase Shift Keying (二相位相変調) |
QPSK | Quadrature Phase Shift Keying, Quadri-Phase Shift Keying, Quaternary Phase Shift Keying (四相位相変調) |
8PSK | 8 Phase Shift Keying (八相位相変調) |
APSK | Amplitude and Phase Shift Keying (振幅位相変調) |
TMCC | Transmission & Multiplexing Configuration Control (伝送多重制御信号) |
LDPC Code | Low Density Parity Check Code (低密度パリティ検査符号) |
BCH Code | Bose-Chaudhuri-Hocquenghem Code (BCH符号) |
MPEG | Moving Picture Experts Group |
TS | Transport Stream |
TLV | Type Length Value |
PCR | Program Clock Reference |
2.改定の概要
版数 | 策定又は改定日 | 改定の概要 |
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2.1版 | 2016.03.25 | 高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式の名称をISDB-S3とするとともに、実用放送衛星を利用した伝送方式の性能評価実験結果を参考資料に反映するものである。 ISDB-S3:Integrated Services Digital Broadcasting for Satellite,3rd generation |
2.0版 | 2014.07.31 | 衛星基幹放送及び衛星一般放送における超高精細度テレビジョン放送に係る技術的条件についての国の技術基準整備(省令及び告示)を受けて、本標準規格と省令・告示との整合を図るとともに、放送を実施するために必要となる詳細を改定するものである。 主な改定は以下のとおりである。 ・16APSK方式の注釈の削除 ・LDPC符号の新符号化率93/120の追加 ・ロールオフ率を0.03に修正 ・シンボルレートを33.7561Mbaudに修正 など |
1.0版 | 2009.07.29 | 策定 |